ラルプデュエズのステージに来ていたランス、一度ツールから離れていたが、今日再びチームを訪問した。チームバスで出走前の選手たちを励ますだけでなく、今年限りで正式に引退するツール・ディレクターのジャンマリー・ルブランとミーティングを持ったのだ。
昨年7連覇を果たした直後、99年に初優勝した際のドーピング疑惑が再燃したことをきっかけに、ルブラン自身もランス否定の立場をとり、両者の関係が険悪なものになっていた。
ポポビッチが走っている間にブリュイネル監督も交えて行われたミーティングは、友好的に終了。両者はお互いを認め合い、この一件は決着した。「ツールを愛している」ランスはこれからもツールを愛すために、ルブランの在任中にけじめを付けたかったのだろう。
ところで、ポポのレース中にブリュイネル監督がいなかった、ということは...。ミーティングを終えてチームバスから出てきた彼は、「今日はスペシャリストのためのステージだからね」とあっさり。プロフェッショナルは、緩急が大切なのだ。
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いよいよ運命の最終決戦、第19ステージが始まった。
現在、総合リーダーのO・ペレイロ(CEI)から2位C・サストレ(CSC)、3位のF・ランディス(PHO)までのタイム差は30秒以内。このタイム差がTTを得意とするランディスに有利に働くか、果たしてマイヨ・ジョーヌマジックといわれる「奇跡の力」がペレイロを後押しするのか。
第7ステージでの各計測ポイントは下記の通りだ。直前のデータでは、ランディスが限りなくマイヨ・ジョーヌに近く見える。
| 現在のタイム差 | 16.5km | 36.5km | 46.7km | 52km | |
|---|---|---|---|---|---|
| O・ペレイロ | - | 20分12秒 | 45分51秒 | 57分44秒 | 1時間04分24秒 |
| C・サストレ | 12秒 | 20分02秒 | 45分14秒 | 57分05秒 | 1時間03分44秒 |
| F・ランディス | 30秒 | 19分34秒 | 44分32秒 | 56分06秒 | 1時間02分44秒 |
序盤の最速記録を叩きだしたのは、デイスカバリーのV・エキモフ(1時間11分26秒、平均時速47.88km/h、デイスカバリーで最速タイム)。しばらくこの記録は塗り替えられなかったが、後半にスタートした選手たちが徐々に塗り替えはじめる。
現地時間16時9分、ランディスがゆっくりスタートした。
16.5キロ地点の第1計測ポイントで、ランディスがトップ通過のS・ゴンチャール(TMO)より1秒上回る19分46秒(50.08km/h)で通過。最終走者のO・ペレイロ(CEI)も気を吐き、ランディスからわずか10秒遅れ(49.67km/h)で通過。スタート前の30秒の貯金をまだ20秒残しての通過だ。
第7ステージの個人TTの結果では、同じ16.5キロ地点で38秒遅れていたのだから、まさにマイヨジョーヌ・マジック、かなりの好成績だ。
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しかし、次の34キロ地点の第2計測ポイントでは、ランディスに57秒も遅れてしまう。序盤を飛ばし過ぎたペレイロに対し、TTに強いランディスはペース配分を均等にして上手く走っている。
一方、サストレは第1計測ポイントでランディスに1分5秒遅れ、第2計測ポイントでも2分20秒も遅れてしまった。
惜しくもステージ優勝は逃したものの、ゴンチャールに1分11秒遅れの3位でゴールに入ってきたランディスは、チームスタッフがしたガッツポーズを見ると、それまでの厳しい表情をはじめて緩めた。
今日のステージ優勝は第7ステージに続き、強烈な強さを見せつけたS・ゴンチャール(TMO)。チームメイトのクレーデンをシャンゼリゼの表彰台に送ることができた彼は、自身2度目の優勝。チームにとってもダブルの喜び となった。
また、昨日まで4位だったクレーデンが得意のTTでサストレに3分32秒の差を付けた結果、総合タイムでサストレを逆転し3位にジャンプアップする。
さらに驚きだったのは、一昨日の山岳ステージで新人賞を獲得したD・クネゴ(LAM)。昨日までわずか5秒差で迫っていたM・フォーテン(GST)に新人賞を明け渡す(フォーテンはTTが得意で、クネゴは苦手のため)だろうとの大方の予想だった。しかし結果はクネゴが10位に入る健闘を見せ、フォーテン(GST)を逆にさらに31秒引き離し、新人賞争いに決着を付けた。
ほぼ総合優勝を決めたランディスは、「ランスの7連覇のうち、3回をともにして、喜びを感じたけど、自分がこうしてマイヨ・ジョーヌを着ると感慨ひとしおだね。何と言ったらいいか分からないよ。応援してくれていた人に感謝したい。このツールは、ボクを見ていてエキサイトしただろう?ボクはヘトヘトだったけど(笑)」と語った。
この勝利者インタビューの後、レースを終えたペレイロが元チームメイトの栄誉を称える。たった今、自分のマイヨ・ジョーヌを奪った相手をだ。きっとそれは、すべてを出し尽くした者同士しか分からない感覚だ。こんなひとコマが私たちをツールに引き込んでしまう。
「ランディスはすごいヤツだと思ったんだ。彼が勝っても嬉しかった。」
ペレイロ、あなたも素晴らしいヤツだ。