昨日のプロローグ、惜しくも0.73秒差で2位となったG・ヒンカピー。本人はかなりこのプロローグに賭けていた。「勝つために準備してきた。残念だよ。このツールでは、マイヨ・ジョーヌを狙おうと考えているんだ。」と語った。
昨年ステージ優勝を経験したニューヨーカーは、新境地を切り開こうとしている。
さらに惜しかったのは、スタート時間に遅れ6秒を失ったF・ランディス(PHO)。スタート直前にタイヤに傷が見つかったらしい。TTでは軽量化を図るために極端に薄いチューブを使用する。少しの異変で、容易にパンクしてしまうのだ。「時間が迫っていたのは分かっていたけど、傷をそのままにする方がリスキーだと思ったんだ。」
僅差で優勝を逃したヒンカピー、スタートに遅れたランディス。それぞれに悔しさが残る幕開けとはなってしまったが、まだツールは20日もある。きっと彼らにも輝くステージが来るはずだ。
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昨日のサッカーW杯で優勝候補筆頭のブラジルを破り、4強入りを決めたフランス。この勢いでツールでも、フランス人選手が活躍できるか。今日は、ストラスブール近郊をぐるっと周回して再びストラスブールに戻ってくる平たんステージ。逃げ出した7選手のうち、N・ポルタル(CEI)、S・アウジェ(COF)、B・ボウナール(FDJ)、W・ベネトー(BTL)、M・スプリック(BTL)5人がフランス人だ。
しかしツールはまだまだ序盤。大集団は先頭7人を約4分差で泳がせるのみ。逃げ集団の自由はほとんど奪われている状態だ。
大集団はマイヨ・ジョーヌを擁するクレディアグリコールがコントロール。残り80キロとなった頃から、ようやく今日のステージ優勝を狙うミルラム、クイックステップ、ダビダモン・ロットなどが先頭交代を開始する。
気温30度、路面温度42度を記録したこの日の天候が災いとなったのか、先頭集団が今ひとつピリっとしない。大集団がそれほど追い込まなくてもその差はみるみる詰まってしまう。大集団がドイツに到達した140キロ地点では、1分50秒差。
160キロ地点、大集団が28秒まで迫るとたまらず飛び出すW・ベネトー(BTL)。大きく口を開け、渾身の力で大集団の引力を振り払おうとする。しかし残念ながらこのトライアルは、大集団の非情なスピードに飲み込まれてしまった。
この直前、175.5キロ地点に設定されたスプリントポイントで大集団からアタックをかけたのは、昨日苦渋を飲んだヒンカピーだ。このスプリントポイントを3位までで通過すれば、ハスホフトを抜きマイヨ・ジョーヌを獲得できる。慌ててクレディアグリコールのアシストがこの動きを止めにかかるが、気づいたのは一人だけ。先に通過したベネトーに続き2位で通過するも、ヒンカピーの3位通過を許してしまい、この時点でマイヨ・ジョーヌはハスホフトから移ってしまった。
マイヨ・ジョーヌを狙うと語っていたヒンカピー。有言実行、早々に夢を実現させた。
ストラスブールの街に戻ってきた集団は、ステージ優勝を狙うチームが交代で先頭を引き、右に左に大きくカーブを曲がっていく。残り500メートル、スプリンターの中で誰よりも早く前に出てしまったのは、T・ボーネン(QSD)。しかしボーネンにとってこれは大きな誤算。自ら風に逆らってゴールするには距離が長すぎた。
早々に今ステージに見切りをつけ、スピードを緩めたボーネンに代わり、頭を獲ったのは、大外からまくり上げたJ・カスペール(COF)。ゴールした瞬間、信じられないという様子のカスペールは、W杯に続きフランスを熱狂させる勝利を勝ち取った。
このゴールスプリントのなか、もっとも右側を走っていたハスホフトが観客の持っていた「何か」に当たり、右腕を大きく切ってしまった。出血もひどく、ゴール後応急処置を施した後、病院に運ばれる。現時点では明日の出走は大丈夫だろうとのことだが、昨日から一転して彼にとっては厳しいステージとなってしまった。