ツール・ド・フランス第5ステージは、辛口の白ワインで有名なシャブリを旅立ちオトンへの182.5キロで争われる中級山岳ステージ。クレーデン、ビノクロフらが落車に巻き込まれるアスタナ受難のステージとなった。4人の逃げを吸収した大集団はゴールスプリントにもつれ込み、最後はリクイガスのP・ポッツァートが通算2勝目となる区間優勝を飾った。昨日に続き、逃げに加わったS・シャバネル(COF)が山岳賞を獲得、ポイント賞は6度のマイヨ・ベールに輝くE・ツァベル(MRM)に移った。
今日、選手たちは山岳ポイントを8つ通過する。細かな波が続いているようなプロフィールであり、高低差がそれほど大きくないのがせめてもの救いだが、昨日まで活躍していた体の重いスプリンターたちにとっては嫌なステージかもしれない。
ゴール地のオトンは、99年のドフィーネ・リベレのプロローグが行われた街だ。ツールの総合優勝を狙い、最後の仕上げにこのレースを選んだランス・アームストロングがL・ブロシャールを2秒差で下し、区間優勝を飾る。世界を驚かせたその後の快進撃は、周知の通りだ。
そのオトンに向かう今日のステージ、19キロ地点で逃げ出したのは、S・シャバネル(COF)、W・ボネ(C.A)、G・ケウラ(BAR)。その後追ってきたP・ジルベール(FDJ)が加わり、4選手の逃げ集団を形成した。シャバネルは、昨ステージでチームメイトのS・オジェに山岳賞を譲ったものの、今ステージではことごとく1位で山頂を通過し、山岳ポイントを荒稼ぎする。今日だけで30ポイントを獲得、チームメイトに預けていた山岳賞ジャージをしっかりと手中にした格好だ。
ナーヴァスな状態でレースが進むといわれるツール・ド・フランス。今日もいくつかの落車が起こっている。今後の総合優勝争いにおいて、大きなディスアドバンテージを受けたのはアスタナだ。まず、A・クレーデンが105キロ地点で落車。上り坂横の浅い側溝に落ちてしまった。そして、最も影響が大きかったのはA・ビノクロフのそれだ。
残り25キロ地点、集団後方に位置していたビノクロフらアスタナ勢数人が絡む落車事故が発生。ビノクロフはレーサーパンツ右側を大きく破るほどの傷を負った。アスタナは全員で彼を集団まで戻すべくアシストするも、すでに集団のスピードは上がりきっており、チーム全員が疲弊しバラバラになるほど尽力したにも関わらずタイム差は縮まらなかった。結局ビノクロフはライバルたちに対し、1分20秒をロスしてしまった。
残り10キロ地点で最後まで粘っていたシャバネルがラボバンク率いる大集団に飲み込まれ、再び集団は不安定な状態に。ブイグテレコムのL・ルフェーブルがアタック、山岳ポイントを奪取すると、集団前方で機会をうかがっていたポポビッチが逃げ出した。 彼はルフェーブルをパスし、長い下りを突き進む。何ものをも恐れない彼のダウンヒルは、わずかずつだが集団とのタイム差を生んでいた。
しかし、彼は路面の悪いヘアピンカーブで目測を誤り、オーバーランしてしまう。得意の下りで自ら後を追っていたマイヨ・ジョーヌのF・カンチェラーラも、つられて路肩に突っ込んだ。2人は危ういところで難を逃れたが、一歩間違えば大事故につながる局面だった。
残り距離はあとわずか。集団はリクイガスの2選手が牽引する。ワンデーレースのような混沌とした展開に血が沸き立ったのか、今度はUSチャンピオンジャージのヒンカピーが3番手につけている。右に左に曲がりくねるオトンのコース、ゴール前500メートルでは10番手まで順位を落としてしまうが、ツァベルに次ぐ6位に入る健闘を見せた。
スプリントで力強さを見せたのは、リクイガスのF・ポッツァート。元世界チャンピオンのO・フレイレ(RAB)を力でねじ伏せ、自身2度目となる区間優勝を果たした。
昨日までポイント賞上位に位置していたR・マキュアン(PRL)とT・ボーネン(QSI)が大きく遅れたため、E・ツァベル(MRM)がポイント賞を獲得。過去シャンゼリゼで6度のマイヨ・ベールに輝いた37歳は、表彰台で久しぶりのグリーンジャージに袖を通し、はにかんだ表情を見せた。
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