
ツール・ド・フランスが初めて開催されたのは、1903年。今年で94回大会となる世界最大の自転車レースだ。99年から05年まで、7年連続で個人総合優勝(マイヨ・ジョーヌ)に輝いていたランス・アームストロングが去った後、昨年の大会は誰が個人総合優勝を獲得してもおかしくないほどの混戦となった。
今年は、さらに混戦模様だ。数人の有力候補が挙げられているものの、決定的な差を付けづらい前半のアルプス越えと熱波が厳しいピレネー。チーム力や選手たちの実力に、気象条件まで加わり、どんな解説者もピタリとマイヨ・ジョーヌを言い当てるのは難しいだろう。
今年で104周年を迎えるツールだが、途中2回の大戦で開催されなかった時期があり、開催回数は今年で94回目。
観戦者だけでも期間中1千5百万人、TV中継を含めれば世界中で約10億人が観戦するロードレースの最高峰だ。
大会関係者、プレスなど随行者だけで4千5百名、1千5百台の車両がステージごとに移動、周辺の宿泊施設では毎日1千2百室の部屋が確保される。サッカーワールドカップ、オリンピックと並ぶ世界3大スポーツイベントの名にふさわしい規模といえる。
注目度の高いイベントだけに、各機材メーカーもツールに合わせて新製品、プロトタイプをこぞって投入してくる。もちろん、トレックもツールに合わせ新型Madoneを投入する。トレックの技術の粋を集めた「最新鋭」と呼ぶにふさわしい仕上がりだ。チームメンバー全員が駆る新型だから、まずはレースレポート中のギャラリーでそのフォルムを確認して欲しい。
アルプス、ピレネーの山岳地帯を越え、全選手憧れのパリ・シャンゼリゼにたどり着くまでの約3千6百キロをわずか23日間(2日間の休息日を含む)で駆け抜ける。フランスをほぼ1周するツールは1日の平均走行距離170キロ、高低差は2600メートルに達し、選手たちが毎日消費するエネルギーは7千キロカロリー(山岳ステージ)ともいわれる。尋常な体力、精神力ではとても耐えられない。

「過酷」以外の何物でもないツールに参加できる選手たちは、世界最高峰のチームから選りすぐられた鉄人中の鉄人たちだ。しかしその最高峰の選手たちでさえ、毎年30人もがリタイヤしてしまう。
その極限状態で頂点を極めようとするがゆえに、私たちは選手たちが繰り広げる人間臭いドラマを毎日目の当たりにする。そして、その活躍に明日の勇気を与えられる。きっとそれは、ツール・ド・フランスだからこそだ。
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