トレック・ジャパンジロ・デ・イタリア レポート

今年のマリア・ローザは誰の手に、サマリー&レポート

5月29日(火)
アゴルド〜リエンツ(189km:山岳ステージ)
[ ルート詳細 ]   [ コース高低差図 ]

ガルゼッリ、単独アタックを通し2勝目。4賞動かず。

気温8度、しかも雨模様となった第16ステージは、選手たちに真冬並みの防寒を強いる厳しいステージ。後半に発生した逃げを追い、飛び出したS・ガルゼッリ(ASA)は、そのまま20人ほどの選手を次々と抜き去り、単独走行に。追走4人に差を詰めさせない見事なスピードで今大会2勝目、自身8度目となる区間勝利をあげた。

前半の2時間、平均時速は24.6キロ。4時間の平均でも31.2キロと非常にゆったりとしたペースでレースは進んだ。悪天候、明日の厳しい山岳ステージ、ゾンコランへの上りを考え体力を温存しようということなのか、休息日明けにもかかわらず集団のスピードは上がらない。

レースがやっと動いたのは、123キロ地点、B・ジョワキム(AST)とL・マンジェル(A2R)のアタックからだった。その後彼らを追い、数十人の選手たちが逃走を試みる。その中に総合争いに関わる選手がいないことから、マリア・ローザを抱えるリクイガスは反応しない。

山岳賞は設定されていないものの、勾配が厳しい上りをゆったりとこなすリクイガスの動きに勝機を見いだしたのか、ガルゼッリが勢いよく飛び出す。その後彼は先行する何人もの選手たちをパスし、遂に単独走行に踏み切る。登坂力のある彼でも、今ステージはゴール前16.8キロが平たん区間。上りで差をつけても、追走集団が本気を出せば単独での逃げはリスキーだ。しかし、彼は自らにみなぎる力、そして気力に賭けたのだ。

バンベルグ峠通過時には追走との差わずか38秒。しかしこの差は平たん区間に入っても縮まらない。追走4人が協力しているのにだ。この4人の中に、ディスカバリーのルビエラもいた。今大会、再三積極的に逃げに乗っているのだが、最後の争いには絡めないでいる。ルビエラらの思いとは裏腹に、タイムリミットはそこまで迫っていた。

ガルゼッリは、やり遂げた。04年を最後にどうしても勝てなかったジロで、今大会は第10ステージに続きすでに2勝目だ。後ろを振り返り、後続がいないことを確かめると、彼は勝利を噛みしめるように、大きく両手を広げた。

「今日の勝利を失いたくなかったんだ。少し長い逃げになるから、リスキーだったけどね。最後の10キロは向かい風だったし、ダメかと思った。」

ライバルたちとの戦いに勝っただけではなく、彼は自分との戦いに勝つことでこの勝利を得たに違いない。

 

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